classics-disco’s blog

西洋古典学を学ぶ一学生のブログ

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

恋に焦がれるエコーとクールなナルキッソスの神話

ラテン語の初級文法を春~冬学期にかけて終えたので、力試しにオウィディウスの『メタモルフォーセース』(変身物語、転身物語などと訳されている)を読んでいる。これまで3.339~401まで読み進めた。ここまでの話をざっくり要約してみる。 ある所にナルキッ…

ギリシア悲劇の解釈を巡る論争──「イオカステはいつ知ったか」という問い──

はじめに 僕は先学期に履修していた「西洋古典文学」という授業の期末レポートとして「イオカステはいつ気づいたか」と題するレポートを書いた。その時に特に参考にしたのは川島重成『アポロンの光と闇のもとに』(詳細下記)という本で詳しく論じられている…

エコーの繰り返しと翻訳

現在僕はドイツ語の勉強として『星の王子さま』をドイツ語訳で読み進めながら、同時にラテン語の勉強としてメタモルフォーセースのナルキッソスとエコーの箇所を訳している。僕が今訳すのに困っているのは、ナルキッソスとエコーの会話部分だ。ご存知のよう…

『ホメロス「イリアス」への招待』②

前回に続き『ホメロス「イリアス」への招待』を読んだ感想です。初めはきちんと論文をまとめて内容を紹介する気だったのですが、結構時間かかりそうなので主観的な感想を大目に綴ることにしました。 アキレウスの怒りと人間性の輝き 「アキレウスの怒り」と…

『ホメロス「イリアス」への招待』①

先日出版された、川島重成、古澤ゆう子、小林薫*1編『イリアス「ホメロス」への招待』(以下『招待』と勝手に略称)を読んでいる。僕はこの本の出版記念会のちょっとした手伝いをした褒美としてこの本を賜った。大変ラッキーである。勿論先生としては、「こ…

春休み──花粉からの逃走

長ーーい冬学期がようやく終わった。今学期はなかなかハードだった…(まあ毎学期そう思ってるわけだが)。特に「旧約聖書概論」はグループワークだけじゃなくリーディングの量も多くて課題こなすのが大変でした!でも、今まで取って最もよかった授業の一つ。…