classics-disco’s blog

西洋古典学を学ぶ一学生のブログ

『ソクラテスの弁明』勉強ノート&翻訳①

 夏休みに入りました。大学の友人たちは海外に行ったりバイトに勤しんだりしてるんですが、僕は山奥でギリシア語の修業をしています。正確にはお世話になっている名誉教授の家に住まわしていただき書生まがいのことをしながら、夜にはギリシア語を教わっています。朝起きてご飯を作ってギリシア語の復習をし、昼食を作ってギリシア語の予習をし、夜を済ませて講読をして眠って…っていう暮しをしています。

 

 そのギリシア語のテキストはプラトンソクラテスの弁明』で、一日一章ぐらいのペースで進めているんですが、初めの方にこんな文句が出てきます。

 

いずれにしても、アテナイの皆さん方、あんたらにこれを許してもらいたいんです。っていうのは、もし私が普段から慣れてる、広場の両替所(あんたらのなかでもようさん聞いたことがあるやろうけど)とか、他の場所とかで私が話すような話し方で弁明をするのを聞いても、(17D)そのせいで顔を白うしたり、ぎゃーぎゃー言うたりせんとって下さい。(拙訳)

 

これはソクラテスが、自分は裁判の場の話し方なんぞ全く知らないので、普段通りの話し方をさせてくれと頼むところなんです。だからソクラテスはわりにラフな言葉遣いをしている、と想定しなければつじつまが合わないんですが、今の日本語訳は(例えば岩波文庫のとか)めちゃくちゃ洗練された言葉遣いですよね。ってなわけで「もっとラフな言葉遣いで訳してみよう!」と思い立ち僕の母語である関西弁で訳すというチャレンジを開始してみました。もうすでに関西弁訳が出版されていることを教えてもらい、パイオニアになりそこねたのは残念ですが、まあそれはそうとしてここでゆるゆると載せていこうかなと思います。一個はギリシア語本文にできる限りの説明を付け加えたもの、もう一個は僕のオリジナル翻訳です。「ここ変じゃない?」「ここ良く分からない」みたいなのがあればコメント歓迎です。

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